エルメス ローズシェヘラザード Rose Scheherazade
シェヘラザードとは千夜一夜物語の語り手
8世紀頃に中世ペルシャ語からアラビア語に訳された、インド説話の影響を受ける一大説話集があります。千夜一夜物語(千一夜物語)またの名をアラビアンナイトと呼び、日本でも子供の頃から読み親しまれているシンドバッドの冒険などが含まれています。千夜一夜物語の登場人物で、国中の娘達の命を救うため、自らの命を賭けて王に心躍る物語を毎晩語った人物こそがシェヘラザードなのです。彼女は理想の女性像というイメージを持たれることが多く、魅力的で知的、勇敢な女性・妻・母像を想起させます。1888年にはリムスキー=コルサコフ作曲でシェヘラザード交響組曲が書かれ、さらには20世紀初頭にはバレエ作品にもなっています。
エルメスのローズシェヘラザードは魅惑のピンク紫
フューシャピンクよりも濃く、少し紫味がかったピンク色のローズシェヘラザード。大人の落ち着きのあるパープルピンクです。
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千夜一夜物語の簡単なあらすじ
女性に怒りを覚え、悪行を繰り返すようになる王・・・
インドとシナを支配する王に兄のシャハリヤールと弟のシャハザマーンという2人の息子がおり、それぞれ国を治めていました。弟のシャハザマーンが兄に会いに宮廷へ出かけた際に忘れ物をし、取りに自国の宮殿に戻ると妃が一人の奴隷と不適切な関係を持っている場面に遭遇しました。彼は2人を処刑してから兄の国へ訪れましたが、ひどく傷ついていました。兄の宮殿に滞在中、兄が留守の間に兄の妃が堂々と多数の男性達と関係を持っていることを知り、兄に伝えます。衝撃の事実に兄は驚き弟と共に流浪の旅に出ました。ある時海辺の魔神と、魔神の囲う乙女に出会います。その魔神が居眠りをしている間に乙女が不貞を働いていることを知り驚嘆、女性に大変失望した2人はそれぞれの国へ帰ってゆきました。宮殿に戻った兄シャハリヤールはまずは妃と奴隷達を処刑します。そして女性に対して怒りを覚え、信じることができなくなってしまったシャハリヤールは大臣に毎晩一人処女を連れて来るよう命じ、一夜を過ごしては翌朝になると処刑するようになりました。どんどん国中から若い乙女がいなくなってしまいました・・・。
シェヘラザードの登場
大臣には2人の娘がいましたが、悩む父を見て姉のシェヘラザードが王に嫁ぎ悪行を辞めさせますと父の反対を押し切り志願しました。王のもとに参上したシェヘラザードは最後に妹のドニアザードに別れを告げたいとお願いし呼び寄せます。王の寝室にてドニアザードは姉にかねてより言わていた通り、物語を語ってくれるようにねだります。さて、ここから国中の娘達の命を救うため、シェヘラザードは自らの命を賭け、王を相手に夜通し語り始めるのでした。千夜一夜物語の始まりです!彼女の繰り広げる興味深い話に王は聞き入り、次の話をするように命じるのですが、ここで彼女の手腕が光ります!夜が明けたことを理由に丁重に断り、話を終わりにしてしまうのです。そして「明日お話する物語はもっと心踊るでしょう・・」と語るのです。続きが気になって仕方がない王は翌朝シェヘラザードを殺すことを延期、その後二百数十夜に渡って毎晩彼女から物語を聞きます。様々な時代の物語に通じているシェヘラザードが語る物語は冒険商人達をモデルにした空想の物語から、アッバース朝のカリフや妃など実在の人物のストーリー等、多彩です。説話を通じて王は人論と寛容を学び、最終的にシェヘラザードを処刑しないことにする、というのがメインのストーリーです。